Photo with Message


「ブランチを楽しみませんか」
スリップウエアは日常の何でもない営みの中で使われている器。そんなイメージがわけば
あなたも焼き物が道具となった瞬間です。特別な時にだけ使うとか、いくら高価なお皿でも、
まったく出番がなければ少し可哀そうな気がいたします。使われてこそであります。
更に、無理して自分の生活スタイルに合わない、のも、どうかと思います。皆さんは本当は
どんなものが好きですか?実態に即していますか?それが本当に好きですか?
私はスリップウエアと出会い、これまでご紹介してきた作家さん方の器はある意味で、非常に
狭いところでしか使われていない様に感じておりました。それは、例えばお酒を呑む時間だけで
あったり、和食のお店であったり。家ではほぼほぼ和食は作らないとか、それも一般にですが
「焼き物好き」と云われる方々の「趣味の器」というような範囲です。そして日常の食事とかけ
離れた器使い。メディアの問題も大きいと思います。陶芸雑誌なる片寄った情報。
これは非常に非常に狭いものだと感じておりました。
それ以外の人たちが大勢を占めている中で、器はどんなものが使われているのかと、大きな
疑問がわいてきました。器にはあまり意識が向いていない(お値段的なことも含めて)や、
そもそも器の存在を知らずに、その辺の量販店でそれらしいものを買っている、であったり、
ご主人はやきものマニアだが、家族全体ではそうではない(特に共有はされていない)こと。
などが脳裏を過ります。これでは増々日本の工芸や、やきものが衰退してしまう一方です。
産業革命で途絶えてしまったスリップウエア同様に、工業製品で構わない、われない、軽い、
使い捨てれば良い、そんな価値観であっては日本もいずれは同じ道をたどります。
焼きものにお詳しい、今ご覧の皆さまであれば気が付かれると思いますが(皆様は既に使っている
前提で)、それ以外の皆様に使ってもらわなくては先がないということです。特に若い人たちに。
自分は趣味だから、とか、自分みたいなのは周りにそうはいない、とか、そんな特別なことでは
日本の工芸は育たないと思えてなりません。工芸の底上げを図ることが急務と考えます。
大勢に指示され、普段の食事、食器がこんな感じ、それが普通だようね、となることを願うばかりです。
そんなこともありまして、今はスリップウエアを通して、より広い方々に器の魅力を感じて頂ける
機会になればと推進しているところです。気軽に使える器である必要があるのです。そして今の
時代、実態に合っていることが必要なのです。
ここまで読まれた皆様。それでも私はあまりスリップウエアは好きになれませんといえるでしょうか。
何か別の概念に囚われていたり、ブランドや市場の動向に惑わされ、正常な精神状態で物が見れて
いるでしょうか。あなたの着ている服は着物ですか?車は外車だったりしませんか?
朝ほぼほぼパンだったりしませんか。お昼はコンビニでパスタを買ったりしていませんか。
自分を偽るのはもうやめにしましょう。普通に好きなことをやれば良いだけのことなのです。
どうでしょうか、皆様もお休みの日には普通にブランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。
スリップウエアと共に・・・
店主 大越拝








「表情がお料理を活かすスリップウエア」
欧米の庶民の器として焼かれたスリップウエアには、やっぱり温かいものを感じます。
もの作り、工芸という人の手により生まれた器には皆共通していることと思います。
しかし、このスリップウエアと云う作行には、上手いとか下手とか関係のない、本当の意味での
民藝が宿っているように感じています。それはインスタでもご紹介しておりますように、使ってみて
理解できることに他なりません。「器に表情がある」、作家でもなく、陶芸でもなく、勿論美術品でも
なく、あえて説明のいらない素朴な佇まいの中に魅力がございます。
昨今の日本の食事のスタイルや住環境、ファッション、インテリアに至るまで、本当に無理のない器
でございます。是非日々の暮らしの中で、あくまで道具とて付き合ってみてはいかがでしょうか。
スリップウエアが魅せてくれる表情に皆様も驚かれることと思います。 店主大越拝


ただの白い皿


齊藤十郎 スリップウエア丸皿


6月29日(土)30日(日)はスリップウエアとビールを楽しむ会は週末の天候不良で延期いたします。




民具 ふるい × ヤマアジサイ


李朝白磁鉢 × ヤマボウシ


辻村 唯 × ヤマアジサイ


東福寺古瓦 × ヤマアジサイ




「お膳の薦め」
観桜会も15日で終わり、賑わいを見せた市内もひっそり落ち着いた感じです。日中20度を超えて暖かく
なったかと思えば今日は10度も気温が下がっています。まだまだ暖房器具が仕舞えない日々です。
そんな中、古いものをご覧頂く展覧が始まっております。今回も面白いものが色々ございます。
ここではちょっと「お膳」について考えてみたいと思います。
日本はもともと板の間や畳が当たり前でしたが、西洋式の家具やインテリアの普及によって、食卓も
テーブルやイスといったスタイルが普通になっています。テーブルでもロータイプの座布団を敷いて
座るタイプは和室などの空間設定がなかったりであまり使われておらず現実的ではないようです。
一家団欒の象徴とも云えた通称「ちゃぶ台」も今には忘れさられたアイテムといえますね。
お膳の良さはまずその「省スペース」にあります。これは逆にいまの時代には合ってると思うのですが。
限られた空間に、使う時だけ出してくる。重ねておけばお部屋の隅でも場所をとりません。
大きなダイニングテーブルよりは比較にならないほどの省スペースです。ただ、対面キッチンや
そもそもそうした作りでなかったり、何かと便利なダイニングテーブルに価値を置けば別ですが。
良さその2は「仕切られた空間」。僅か36cm四方のお膳ですが、意外と色々なものが乗ります。
しかし、出来るだけ無駄を省いて、出来れば一汁三菜、二菜くらいに留めて感じよく間を与えることで
器やお料理もすっきりと見えます。酒宴などでは正に効果的で、乗せた酒器や肴を盛った器が、
とにかく良く見えます。これもテーブルに雑多置いた時では味わいえないお膳の良さと云えるでしょう。
そしてお膳の良さその3は「語らい」です。仮にテレビのあるお部屋であるとしても、向き合って食べる
ことで、自然と目線は相手に注がれます。出来れば何もない空間がベストでしょうけれど、現実は難しい
と思いますので、場所は問いません。でもそんな場面でもお膳を前にすると何だかお行儀が良くなり、
背筋も伸びる気がします。あとは会話が弾むだけですね。
こうしてお膳の良さで考えていきますと、今の日本に必要なことが沢山盛り込まれています。
必要最小限であればこそ、無駄に食べ過ぎることもありませんし、しっかりと味わいえます。
沢山の贅沢に食べ物が無かった時代に、お膳は必然でしたでしょうけれど、ただそれだけではなく、
日本の良さを育む素晴らしい文化の一つと考えて間違いないと思います。
今では機会がないからと場所をとるからと簡単に捨てられてしまうお膳。当時は大変高価で大切な
ものでした。今にこそお膳を使ってみることで感じること、伝えていくことがあるのかもしれません。
2019年4月吉日 店主 大越拝







___________________________________________

昨年の12月にお客様よりお誘いを頂きまして、長野市内で忘年会に参加をさせて頂きました。
大変素晴らしい内容でしたので、茶会記ならぬ酒会記にしておきたいと思いまして記録して
みました。本当は茶会記様式に縦書きにしたかったのですが、いまひとつ雰囲気出ず恐縮です。
今後もお招きを頂いた時にご紹介させて頂こうと思っています。
「酒会記」は写真ではなく、文字だけと云うところがポイントでして、皆様のご想像で場景を想い
画いて頂けましたら幸いです。

___________________________________________

酒会記

床 (画) 平山郁夫 「善光寺」 / 澤 克典 信楽壷

<酒肴> 創作懐石
前菜  カモロース・さつまいもの甘煮・野沢菜漬け / 器 澤 克典 弥七田織部向付

向付(お造り) 〆さば・かます焼霜作り / 器 深見文紀 絵志野向付 ・樋口雅之 鼠志野小付

炊き合わせ  牛と大根のやわらか煮 / 器 西岡 悠 黄瀬戸輪花向付

焼き物  寒鰤の照り焼き 太しめじ・日本かぼちゃ添え / 器 近藤正彦 備前薔薇皿

揚物  どじょうの唐揚げ / 器 鈴木 都 紅志野向付

香の物  器 澤 克典 織部小向付

※器は全てつた弥様

<お膳>
根来隅切膳 (桃山時代) /ご参加者所蔵品

<酒>
栄光富士(山形)
一滴二滴(長野)
美寿々(長野)

以下ご参加者持参の逸品色々
<酒器>
金重晃介 備前緋襷徳利
吉田 明  粉引徳利
<酒盃>
吉田 明 粉引盃
李朝染付盃
黄瀬戸六角盃(時代)
山口真人 鼠志野ぐい呑
梅田健太郎 絵唐津ぐい呑
竹花正弘 斑唐津盃
古伊万里白磁猪口
金重潤平 備前酒呑
澤 克典 信楽ぐい呑
金重晃介 備前酒呑

ところ
山帰来 つた弥  (長野市) /料理人 宮澤 達  Sankirai Tsutaya by Satoru Miyazawa
2018年12月吉日

記録 ギャラリー謙信庵 店主大越文彦

※酒宴となりました善光寺西口の「つた弥」さんでは現代作家の器を沢山揃えておられまして、
4−6名であれば、作家の器だけの個別のコース料理などもご用意されております。
工芸好きにはたまらないひと時をご提供されています。

______________________________________________________________________________________________________________________________________________

















古伊万里大なます皿 江戸後期




「アンティークの世界」
しばらくの間、備前の吉川恵司さん、金重備前の秀作をご覧頂いて参りました。
備前は鎌倉室町、更には平安にさかのぼる須恵器の影響も受けた古い様式のやきものです。
土という素材に魅せられ、これまで数々の著名な蒐集家によってその魅力も伝えられてきました。
本当に良いものというのは、古いも新しいもありません。ただ、自分にとってどんな備前が好ましいか、
ただそれだけで良いのだと思います。様々な知識を葬り去って、自分の中に何が残るか。
そのピュアな眼で選択されていかれたら良いと思います。ご高覧ご厚情に感謝申し上げます。

さて、今年は何時になく、古いものの特集を重ねてきました。今年で四回目の今展です。
古伊万里と云うと、最近はなんだか有り触れた感があって、古美術というよりは古民芸。
しかし、初期伊万里や、全盛期と云われる元禄伊万里(江戸中期)ごろのものとなれば、
非常に繊細でハイレベルなものも多く、その価格もやや高価と云えるでしょう。
しかし、その流れを汲んで、それでも職人が端正込めて心を込めて作られた伊万里には、
大変魅力的なものもございます。価格の面でもですが。それが江戸後期の伊万里です。
10年も前からすれば、随分とお求め易くはなりました。でも、厳選しなければなりません。
皆様にお薦めする今回の古伊万里。なかなかいい味を出しています。
是非お手に取りご覧頂きたく存じます。
古伊万里の他にも年末年始にもお愉しみ頂きたい古きもの色々満載です。

それから最後にもうひとつだけ、アンティークの世界について。最近は古美術や古民芸に
若い方々が随分と関心をもたれており、古物を好む方も増加傾向にあるように思います。
ただ、気を付けねばならないことは、「古いから良いもの」ではありません。更には、
新しいもの(今の作家のも)が使えていなければ、古いものの魅力は半減してしまいます。
(言い換えれば、物の良さが見れない。伝わらない。ブランドに走る怖さ)
今生きる私たちが今のものを見なければ始まりません。その上で古いものが活きてくること、
それを忘れてはならないのです。
2018年11月吉日 店主 大越拝





染付山水 差身皿(刺身皿)拾人前  



































Calendar

2019年7月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
2019年8月
123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
灰色は休店日です。
OPEN 10:00-17:00
事前のお問い合わせは
TEL 025-512-1055
info@gallery-kenshinan.com
Glay is Closed.Many Thanks.
Top