Photo with Message

「するめの様な福田唐津に賞賛の声」
開催して参りました唐津王天家窯の福田和祐さんの個展も終了となりました。
今展では他県ご遠方よりお料理人の方々が多数ご来店下さいまして、福田さんの器の
クオリティーに大変感動されておりました。絶妙なサイズ感、器の放つ空気は実物で
なければお伝え出来ないところではございます。三週連続お越し下さったお客様もおられ、
終始福田唐津の魅力に会話も尽きない状況でございました。
総論とさせて頂きますが、福田さんの唐津はとにかく唐津が好きで製作をされている点が
作品に表れていること。その熱心さは様々な物を見聞きした知識だけに囚われず、
自分がどなん唐津焼にしたいかが明確になっている点に、これまでにはない感動を与えて
くれております。また、器はあえて使い手を考えた端正な高台にしたり(古唐津を意識しない)
使い易さ重視の削りである反面、ぐい呑は多彩な高台や器形を取り入れ、釉薬も土と共に
様々な組み合わせを駆使し表現されていました。絵唐津の鉢では、一見不慣れな絵に見える
ものが、実は桃山唐津に本歌のある絵を忠実にかつ応用して描かれていたりします。
更に唐津には「陶印は似合わない」とでも言いたい様な、サインを刻まない決心と、
それに伴うごく自然な唐津美に徹する覚悟が伺えます。
「窯元の二代目」ということで出来ることを本当に考えた唐津焼が見ることが出来、
久しぶりに胸躍る作品との出会いに余韻が消えません。今後が楽しみになりました。
今展お見逃しの皆様にも、今後お近くで見る機会がございましたなら、是非お手に取り、
唐津の全ての先入観を捨てて見て見て下さい。そこに福田唐津の素晴らしさが垣間見える
はずでございます。そして出来ればお使い頂きたい唐津です。するめの様に噛めば噛むほど
その良さがじわじわ伝わって参ります。沢山のご来店、ご厚情を賜り誠にありがとうございました。 
店主大越拝





「スルップウエアの優れたところ」
オーブンなどを多用するイギリスの食文化から生れたスリップウエア。その技法は民藝として
日々使うものに不可欠な要素をもっています。現代においても、その性能は特に優れています。

1>直火以外はほぼ大丈夫で、電子レンジ、オーブンが使えます。これは耐火度の極めて高い
 土が用いられていることと、更にその上からも鉄釉を施すなど堅牢なコーティングがされているからです。
2>上記の様な丈夫さから、最近使われることが多くなった食器洗い機にも耐える強度です。
3>器の形状がシンプルであることも手伝い、乾燥が早く収納も早く出来ます。カビも出ません。
 複雑な高台などもないため安定し、洗ったあとの拭き易さも日常の器として優れています。
4>収納は食器の帰るお家。きちんとスタッキングでき、綺麗に重なり整然と収納が可能です。
5>欠けにくい縁造り。ほとんどの作品は縁に鉄釉が塗られ補強されています。
6>少しレトロでモダンな色彩はインテリアとしても良く馴染みます。現代の住環境に良く似合います。
7>現代の食生活に無理なく合わせ易い器です。一見大柄な模様が派手に見えたりしますが、
 お料理が盛られると表情を変え、食べ終えた器を見るのもまた2度目の愉しさがあります。
 特にカレーやシチュー、パスタや炒めものなど、とても相性が良く中華料理も意外と映えます。
 煮物など一般的な家庭料理やお惣菜を移すだけで、まったく別のお料理に魅せてくれます。
8>お酒はワインなどと相性が良く、チーズやカルパッチョなどの酒肴にも最適です。
9>心和む民藝の器。素朴な器形、フェザーコームを代表とする柄やスリップ文様は嫌味がなく
 見ていても飽きません。器そのものが食べ物みたいに美味しそうに見える不思議な感覚です。
10>色々な大きさ、カタチが選べ、多様化する日本の食文化に合った器選びが出来ます。
 豆皿・小皿も1枚から求められ、少しづつ取り合せを増やせていけるのも愉しみのひとつです。

ざっとスリップウエアの良さを10こほど挙げてみました。まだまだ使っての育ち方や育てる愉しみ
なども挙げれば、無限の可能性を感じさせる民藝の美スリップウエアといえます。
是非ワンプレートでモーニングの目玉焼きとベーコンなどからはじめてみてはいかがでしょうか。



中川紀夫 スリップウエア大皿


中川紀夫 スリップウエア四方皿

「表情がお料理を活かすスリップウエア」
欧米の庶民の器として焼かれたスリップウエアには、やっぱり温かいものを感じます。
もの作り、工芸という人の手により生まれた器には皆共通していることと思います。
しかし、このスリップウエアと云う作行には、上手いとか下手とか関係のない、本当の意味での
民藝が宿っているように感じています。それはインスタでもご紹介しておりますように、使ってみて
理解できることに他なりません。「器に表情がある」、作家でもなく、陶芸でもなく、勿論美術品でも
なく、あえて説明のいらない素朴な佇まいの中に魅力がございます。
昨今の日本の食事のスタイルや住環境、ファッション、インテリアに至るまで、本当に無理のない器
でございます。是非日々の暮らしの中で、あくまで道具とて付き合ってみてはいかがでしょうか。
スリップウエアが魅せてくれる表情に皆様も驚かれることと思います。 店主大越拝


齊藤十郎 スリップウエア丸皿





李朝白磁鉢 × ヤマボウシ


辻村 唯 × ヤマアジサイ


東福寺古瓦 × ヤマアジサイ




「お膳の薦め」
観桜会も15日で終わり、賑わいを見せた市内もひっそり落ち着いた感じです。日中20度を超えて暖かく
なったかと思えば今日は10度も気温が下がっています。まだまだ暖房器具が仕舞えない日々です。
そんな中、古いものをご覧頂く展覧が始まっております。今回も面白いものが色々ございます。
ここではちょっと「お膳」について考えてみたいと思います。
日本はもともと板の間や畳が当たり前でしたが、西洋式の家具やインテリアの普及によって、食卓も
テーブルやイスといったスタイルが普通になっています。テーブルでもロータイプの座布団を敷いて
座るタイプは和室などの空間設定がなかったりであまり使われておらず現実的ではないようです。
一家団欒の象徴とも云えた通称「ちゃぶ台」も今には忘れさられたアイテムといえますね。
お膳の良さはまずその「省スペース」にあります。これは逆にいまの時代には合ってると思うのですが。
限られた空間に、使う時だけ出してくる。重ねておけばお部屋の隅でも場所をとりません。
大きなダイニングテーブルよりは比較にならないほどの省スペースです。ただ、対面キッチンや
そもそもそうした作りでなかったり、何かと便利なダイニングテーブルに価値を置けば別ですが。
良さその2は「仕切られた空間」。僅か36cm四方のお膳ですが、意外と色々なものが乗ります。
しかし、出来るだけ無駄を省いて、出来れば一汁三菜、二菜くらいに留めて感じよく間を与えることで
器やお料理もすっきりと見えます。酒宴などでは正に効果的で、乗せた酒器や肴を盛った器が、
とにかく良く見えます。これもテーブルに雑多置いた時では味わいえないお膳の良さと云えるでしょう。
そしてお膳の良さその3は「語らい」です。仮にテレビのあるお部屋であるとしても、向き合って食べる
ことで、自然と目線は相手に注がれます。出来れば何もない空間がベストでしょうけれど、現実は難しい
と思いますので、場所は問いません。でもそんな場面でもお膳を前にすると何だかお行儀が良くなり、
背筋も伸びる気がします。あとは会話が弾むだけですね。
こうしてお膳の良さで考えていきますと、今の日本に必要なことが沢山盛り込まれています。
必要最小限であればこそ、無駄に食べ過ぎることもありませんし、しっかりと味わいえます。
沢山の贅沢に食べ物が無かった時代に、お膳は必然でしたでしょうけれど、ただそれだけではなく、
日本の良さを育む素晴らしい文化の一つと考えて間違いないと思います。
今では機会がないからと場所をとるからと簡単に捨てられてしまうお膳。当時は大変高価で大切な
ものでした。今にこそお膳を使ってみることで感じること、伝えていくことがあるのかもしれません。
2019年4月吉日 店主 大越拝







___________________________________________

昨年の12月にお客様よりお誘いを頂きまして、長野市内で忘年会に参加をさせて頂きました。
大変素晴らしい内容でしたので、茶会記ならぬ酒会記にしておきたいと思いまして記録して
みました。本当は茶会記様式に縦書きにしたかったのですが、いまひとつ雰囲気出ず恐縮です。
今後もお招きを頂いた時にご紹介させて頂こうと思っています。
「酒会記」は写真ではなく、文字だけと云うところがポイントでして、皆様のご想像で場景を想い
画いて頂けましたら幸いです。

___________________________________________

酒会記

床 (画) 平山郁夫 「善光寺」 / 澤 克典 信楽壷

<酒肴> 創作懐石
前菜  カモロース・さつまいもの甘煮・野沢菜漬け / 器 澤 克典 弥七田織部向付

向付(お造り) 〆さば・かます焼霜作り / 器 深見文紀 絵志野向付 ・樋口雅之 鼠志野小付

炊き合わせ  牛と大根のやわらか煮 / 器 西岡 悠 黄瀬戸輪花向付

焼き物  寒鰤の照り焼き 太しめじ・日本かぼちゃ添え / 器 近藤正彦 備前薔薇皿

揚物  どじょうの唐揚げ / 器 鈴木 都 紅志野向付

香の物  器 澤 克典 織部小向付

※器は全てつた弥様

<お膳>
根来隅切膳 (桃山時代) /ご参加者所蔵品

<酒>
栄光富士(山形)
一滴二滴(長野)
美寿々(長野)

以下ご参加者持参の逸品色々
<酒器>
金重晃介 備前緋襷徳利
吉田 明  粉引徳利
<酒盃>
吉田 明 粉引盃
李朝染付盃
黄瀬戸六角盃(時代)
山口真人 鼠志野ぐい呑
梅田健太郎 絵唐津ぐい呑
竹花正弘 斑唐津盃
古伊万里白磁猪口
金重潤平 備前酒呑
澤 克典 信楽ぐい呑
金重晃介 備前酒呑

ところ
山帰来 つた弥  (長野市) /料理人 宮澤 達  Sankirai Tsutaya by Satoru Miyazawa
2018年12月吉日

記録 ギャラリー謙信庵 店主大越文彦

※酒宴となりました善光寺西口の「つた弥」さんでは現代作家の器を沢山揃えておられまして、
4−6名であれば、作家の器だけの個別のコース料理などもご用意されております。
工芸好きにはたまらないひと時をご提供されています。

______________________________________________________________________________________________________________________________________________

















古伊万里大なます皿 江戸後期




「アンティークの世界」
しばらくの間、備前の吉川恵司さん、金重備前の秀作をご覧頂いて参りました。
備前は鎌倉室町、更には平安にさかのぼる須恵器の影響も受けた古い様式のやきものです。
土という素材に魅せられ、これまで数々の著名な蒐集家によってその魅力も伝えられてきました。
本当に良いものというのは、古いも新しいもありません。ただ、自分にとってどんな備前が好ましいか、
ただそれだけで良いのだと思います。様々な知識を葬り去って、自分の中に何が残るか。
そのピュアな眼で選択されていかれたら良いと思います。ご高覧ご厚情に感謝申し上げます。

さて、今年は何時になく、古いものの特集を重ねてきました。今年で四回目の今展です。
古伊万里と云うと、最近はなんだか有り触れた感があって、古美術というよりは古民芸。
しかし、初期伊万里や、全盛期と云われる元禄伊万里(江戸中期)ごろのものとなれば、
非常に繊細でハイレベルなものも多く、その価格もやや高価と云えるでしょう。
しかし、その流れを汲んで、それでも職人が端正込めて心を込めて作られた伊万里には、
大変魅力的なものもございます。価格の面でもですが。それが江戸後期の伊万里です。
10年も前からすれば、随分とお求め易くはなりました。でも、厳選しなければなりません。
皆様にお薦めする今回の古伊万里。なかなかいい味を出しています。
是非お手に取りご覧頂きたく存じます。
古伊万里の他にも年末年始にもお愉しみ頂きたい古きもの色々満載です。

それから最後にもうひとつだけ、アンティークの世界について。最近は古美術や古民芸に
若い方々が随分と関心をもたれており、古物を好む方も増加傾向にあるように思います。
ただ、気を付けねばならないことは、「古いから良いもの」ではありません。更には、
新しいもの(今の作家のも)が使えていなければ、古いものの魅力は半減してしまいます。
(言い換えれば、物の良さが見れない。伝わらない。ブランドに走る怖さ)
今生きる私たちが今のものを見なければ始まりません。その上で古いものが活きてくること、
それを忘れてはならないのです。
2018年11月吉日 店主 大越拝





染付山水 差身皿(刺身皿)拾人前  



































Calendar

2019年10月
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031
2019年11月
12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
灰色は休店日です。
OPEN 10:00-18:00
事前のお問い合わせは
TEL 025-512-1055
info@gallery-kenshinan.com
Glay is Closed.Many Thanks.
Top