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「頑固な備前焼」
麒麟ビールが販売する「ハートランドビール」ご存知の方も多いと思います。私も二十歳を過ぎたころ
(今から27年前)初めて出会いましたが、そのころからずーと変わっていないビールです。
変わらぬ味はアロマホップと麦100%でもちろんですが、このグリーンのリターナル瓶500ccが
夏になると更に恋しくなるビールのひとつです。何十年も仕様を変えていないって、本当に凄いことです。
そんなハートランドビールに、秋谷さんのタンブラーが本当に良く似合います。
秋谷さんは口を付ける器に関しては特に入念な処理を施されています。この備前のタンブラーも
手取りや口当たりは本当に素晴らしいです。頑固なまでに貫く姿勢は職人的な面も見せますが、
ものづくりは昔からそんな拘りや継続から良いものが生まれてきています。
いつまでも使い続けてほしい。そんな願いが秋谷さんの器にはございます。
会期も7日で終了となっておりますが、みんなが集まるお盆や夏休みにまだまだ間に合います。
店内展示は継続してますので、どうぞ是非見にいらして頂きそのクオオリティーをご確認下さい。
2018年8月吉日 店主 大越拝









「夏こそ備前」
毎日記録的な猛暑が続いております。健康管理には十分お気を付け下さいませ。
そんな中、秋谷さんの備前焼を見に多数のご来店頂き誠にありがとうございます。
私は「夏こそ備前!」と思っておりまして、「夏こそ信楽!」でも良いのですが、この土味の効いた
焼き締めの器は感性をとても豊かにしてくれる焼き物です。特に今年の夏は暑さが厳しいので、
夏らしいしつらいや涼を感じさせることをあれこれ考えるにはもってこいの器です。
涼しくするのはクーラーをがんがんに効かせるだけでは本質とはかけ離れるばかりです。
先人が見出した夏の過ごし方や知恵を試みることもこの暑い夏に教わった気がいたします。
夏をたのしむ、季節をたのしむ、四季折々、皆様の豊かな感性を磨いて下さい。!
暑中お見舞い申し上げます。
2018年8月吉日 店主 大越 拝




「 窯変 」
澤克典さんの個展も17日で会期も終了となりました。大変お世話になりました。沢山のご縁を賜りまして
心より感謝申し上げます。そしてこの素晴らしい信楽を焼いた澤さんに御礼を申し上げます。
今展連載して参りましたメッセージですが、この5話で終えたいと思います。
緋色(火色)の希少性や偶発性について書きましたが、緋色も窯変と云えることが出来ます。
しかし皆様が窯変と思われていますのは、やはり火前(焚口に近く)豪快な自然釉や熾きに埋まり
還元のかかった複雑な色彩の作品などを示す事でしょう。赤松で焼く信楽は窯焚き当初から、ガンガンに
温度を上げていき攻めの窯焚きとなります。これにより焚き口直下には大量の燃えた灰が溜ります。
これを熾き(おき)と呼びます。これに接していたり、器体全てが被われてしまったりした時に、意図せぬ
景色が表れます。人の力が及ばないところ。正に天工であり、薪窯の焼締めの魅力と云えるでしょう。
窯から焼成中に引き出した作品も窯変です。これは引き出す直前の窯の中でどんな状態であったかを
想像することも出来て興味深い作品です。ドロドロに溶けている自然釉が外で急冷されたことで、
グリーンや黒化したビードロ状の肌を形成します。その複雑なコントラストは神秘的であり、人で云うならば
少し「謎めいた人物」で理解するまでに時間がかかる感じです。熾きに埋まったまま、最後まで窯の中に
窯出しまで置かれていた作品は灰被りでガリガリと荒々しい肌やひっつきなどの野趣も見られます。
この他にも見込みに灰が溜りグリーンに窯変したものや自然釉と焼けの強く複雑なものまで多様です。
信楽の力強い土を被い隠した神秘的な窯変の景色は日本酒だけではなく、バーボンやスコッチなど、
焼酎のロックでも良く似合います。激しい窯焚きから誕生したその作品の存在を色々に想像してみて
頂けましたら、より一層信楽が身近なものに、愉しいものになってくれるはずです。
今展も誠に有難うございました。
6月吉日 店主 大越拝



「 信楽緋色の不思議 」
信楽焼は焼締陶の中でも緋色という独特の色彩をもつやきものです。緋色の出かたは作品の形状や
大きさ、当然窯の中の配置場所によっても様々な緋色があります。
この唯一無二の他のやきものでは味わえない色は実に不思議で難解な窯変なのです。
もともと信楽の粘土は白色で(場所によっては鉄分を多く含む粘土も採れる)、長石や硅石を含有して
います。この白い土が1200度以上の高温で焼かれても、白いまま焼き上がる部分もあります。
土がどのくらいの温度まで耐えられるか(耐火度)においては信楽はものすごく強く、かつて美濃陶
などの志野を焼くサヤなどが信楽の土で作られていたりします。備前の土などは逆に耐火度がなく、
あまり温度を上げ過ぎると最終的には気化してなくなります。しかし信楽は窯焚きで出せる高温程度
ではびくともしない土なのです。焼き締り度合いは、収縮率でいえば1−2割程度で、三割以上縮む
備前よりは強度がないのも現実です。石を噛み、欠けやすいなどとよく言われがちな信楽はこうした
炎に強くキンキンに焼き上がらない特性にあると云えるわけです。漏れやすいということもここに起因
していて間違いはございません。こうした信楽の性質を考えますと、そもそもあまり日常使いの器と
いうのは鎌倉室町などではほぼほぼ作られておらず、大壷や蹲などの穀物や茶葉を入れるものが
得意とされてきました。現代においてはさすがにお米やお茶を信楽の壷に保管することは現実的では
ありません。ですので、普段日常使える信楽の器、酒器、花活などが使われていかなければ、信楽の
焼締め陶はいずれ姿を消すことになりかねません。伝統ある産地も数々の厳しい時代を乗り越え、
信楽もまた狸などの置きものや耐火煉瓦などを制作し難局をくぐり抜けてきました。今また需要が
なければ物というのは作られなくなります。そうなってからでは遅いわけです。
信楽の緋色は他のやきものにはないある意味で華やかでもあり、味わいが加味すれば侘びた風情も
見せる魅力的なやきものです。育つ変化も多彩で豊かです。
信楽焼締めがそもそも今後貴重となる中で、更にこの緋色の希少性は私たちに何かメッシージを
送っている色彩なのだと私には思えてなりません。
2018年6月吉日 店主 大越拝





「 集う 」
インスタグラムにも掲載した写真です。今回の澤さんの個展は器の種類が多く、もう一つのテーマでも
あります。ご覧頂いている様な長方大皿も一見の価値がございます。大きなものは70cmの長さを誇り、
最大のものから大皿3点は既に完売、ご売約を頂いております。
大皿の魅力は何でしょうか。あえて申し上げるまでもありませんが、一人で使う器としてはあまりに
贅沢で大きさも持て余します。家族や友人を呼んで皆で囲んでこそ魅力のある器です。
昨今の生活スタイルや住環境、家族との時間の合わない食卓。この大皿を使うにはかなりハードルが
高そうです。しかしながら、こうした器と出会えたことで、少し「集う」という意識を変えてみるのも悪くは
ないと思います。人が集まる、人と会話しながら育まれるもの。時間がないからとか、ひとりだから、
そんな方々のためにこの大皿はあるような気がいたします。まずはやってみることが大事です。
日本人の良さや日本の伝統を見直す機会になれば幸いです。
6月吉日 店主 大越拝





「 穴窯と登窯 」
澤家には代々受け継がれてきた大きな登窯があります。克典さんの父・清嗣先生の更に先代が、
信楽の地で「焼屋」と呼ばれる焼き専門の職人をされていたのだとお聞きしました。江戸から明治大正
昭和の初期ごろまで、作る人、焼く人が分業によりそれぞれの専門職をこなし、効率の良い製作が
行われていました。備前などもそうですが、一度に沢山焼くことを考えて考案されたのが登窯です。
TOPページに掲載した写真が登窯の後方部分。幾つかの部屋に別れ沢山の作品を詰めることが可能
です。2枚目の写真が登窯の内部。前方の大きな部屋で直接の焚き口があり火力が最も強い場所です。
ここには大壷や甕などが配置され窯詰めが完了し閉じられます。奥を見て頂くと分かりますが、棚の後方
に壁があります。これが穴窯と最大の違いです。壁により仕切られた幾つもの部屋があるのが登窯です。
この壁によって炎は一気には後ろに抜けず、部屋の中でくるくる対流し全体にカロリーが行きわたり、
焼成効率を上げています。炎は一度前方の部屋で回りながら壁の下部にある穴(素穴)から後方の
部屋に煙や灰(自然釉)も含め流れていきます。当然後方の部屋にいくにつれて灰などは少なくなり、
自然釉が付着しないものが多くなります。唐津などの釉薬ものなどは、正にこの構造の窯が適している
わけです。信楽もまた焼き締めばかりではなく、様々な施釉ものを焼いてきた歴史がございます。
火鉢や狸などもその代表です。さて、登窯はそんなわけで大きさもあるので焼成日数も穴窯より少し
長くなります。じっくり焚かれた肌が何とも味わい深く、濃厚な緋色も見所となっています。
登窯は年に一度。今回は本展に合わせ焼いて頂いた感じです。
3枚目が澤さんが頻繁に使う穴窯です。ご承知の方も多いと思いますが、名前の通り後方の煙突まで
トンネルの様に穴になっています。半地下式と聞くことがあると思いますが、斜面を利用して、半分は
斜面を堀り、その上にアーチ状のドーム天を形成することで半地下式といいます。
穴窯の最大の特徴は登窯と違い壁がないことです。これにより焚く口から薪の炎が一気に後方へと
立ち上がり抜けて行きます。炎は下から上へ動きますので山の傾斜を利用した構造となっています。
現代では穴窯は比較的小さいものが多いので小回りもききますが、どちらにせよ、薪で焚くやきものは
本当に大変な労力を要します。赤松の割木薪代など経費も大きいです。歩留まりも悪いです。
登と穴、どちらの焼けが良いということはありません。色彩の変化、土味の表情など、皆様のお好みで
お選び頂ければ良いと思います。どちらにも同じような区別のつかない焼けも出ることもあります。
異なる2つの窯焚きから生れた作品たちが並んでおります。信楽の中でも現在薪で焼成する作家は
数少なくなっています。特に若手はなかなか増えないのが現実です。作品が出来るまで様々なことが
時代に逆行する手間のかかる作業。しかしそれが無ければ今目の前に手に取れる魅力的な信楽焼を
体感することは出来ないのです。何より感謝しかございません。
6月吉日 店主 大越拝









「 信楽を使う 」
こちら新潟県も梅雨入りし、はっきりとしない天気の中、澤さんの大信楽展がカラリと湿気を払いのけて
くれています。毎年開催してきた澤さんの個展ですが、昨年から信楽の焼締めのみで開催しています。
今展も大変ご好評いただいております。心より御礼を申し上げます。
2回目となる本展では澤家の二基の薪窯で焼成された作品を比較できるよう展示しています。
登窯と穴窯の焼け具合は窯の構造により大きく異なります。どちらが良いということではなく、
お好みでお選び頂ければと思います。中でも今回は幅広い器(食器)を中心にバリエーションも
多く、信楽をもっと身近にお使い頂きたい思いから、澤さんと打ち合わせを重ねておりました。
新たに製作頂いた飯碗(写真)は登窯で焼成されておりますが、じっくりと5日間焼き込まれた味わい
深い焼け肌が大変魅力となっており、分かる方々から大きな注目を集め初日で完売となっています。
その他にも素朴な造形の器類が信楽らしさを日常使いでお愉しみ頂け、沢山のご縁を頂いております。
ネットの方にも順次掲載を予定しております。ご遠方の皆様はそちらも是非ご高覧頂けましたら幸いです。
私が信楽を好きな理由は「分かった」と言えないどこまでも不思議で魅力が尽きないことでしょうか。
どんな焼き物も奥が深いわけですが、こと信楽というのはこちらの予想に反して常に様々な課題を
投げかけてくるやきものです。それはまるで自然界を見ている様な、そして無限のパワーを秘めた
琵琶湖の底に堆積した何万年もの土の生命感が常識や理屈では解決しない素材の魅力を持ちます。
その本質には到底たどり着くことはなく、いつまでも探求する喜びを与えてくれるやきものです。
今日本人が一番必要なやきもの「それは信楽」かもしれません。
この温かで素朴な焼締陶に人はきっと多くを学び、心豊かにやさしくなれるのだと思います。
6月吉日 店主 大越拝






酒張 ShuHARI  ひとり酒
「酒箱」に続いて温めておりました一人酒を愉しむアイテムをご紹介させて頂きます。
まず名前の(張)には、広げる伸ばす、設ける、構える、整えるなどの意味合いがございます。
自分だけの酒席の場をある意味律することで生まれる程よい緊張感が目的です。
更に「守破離」(しゅはり)にもかけまして、古くを守りながらも、今を生きる今らしい自由な
酒席を自在に展開して頂きたい、そんな想いのネーミングとさせて頂きました。
使わない時は一枚板と角柱のみで保管場所をとらないこと。盤のみをリビングテーブルや書斎の
デスクに乗せるだけで目の前の雰囲気を変えることが出来ます。特にマンションやアパートなど
限られたお住まいのスペースで、また自分だけの時間になれる場所へ、この酒張を展開させて
頂けましたら幸いです。何よりこれまでお求め頂いた器たちが、とにかく良く見えます。
見栄えは非常に重要な美意識です。少しだけ拘って、あれこれと取り合わせる愉しさは格別です。
せっかく美味しいお酒と酒肴、素晴らしい器の役者をご用意されたのですから、舞台も大切です。
忙しい日常の中で、それでも何とか自分の時間を作り、ひとり器やお酒と向き合ってみることも、
良い時間ではないかと思います。
どうぞ是非、酒張(しゅはり)を宜しくお願い申し上げます。 
2018年3月吉日 店主 大越拝

※プロの職人による材の仕上げコストを出来るだけ抑え、ダイナミックな無垢材の良さを追求し
お求め易くいたしました。お好みで植物性油などを塗布頂くと長持ちいたします。






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2015年3月 <祝・北陸新幹線開業 上越妙高駅>













<2015年 新春 店内>


<2014-2015年 冬のギャラリー>








<2014年5月 移転OPEN 店内>


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灰色は休店日です。
OPEN 10:00-18:00
事前のお問い合わせは
TEL 025-512-1055
info@gallery-kenshinan.com
Glay is Closed.Many Thanks.
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